地域安全学会論文集 (地域安全学会、ISSS、審査付き)

Journal of Institute of Social Safety Science

主題:阪神・淡路大震災における住宅再建の現状と課題
副題:2000年被災者アンケート調査を通じて
著者:越山健治、室崎益輝
掲載:地域安全学会論文集、No.3、17-22、2001年11月
概要:本研究は、被災者に対するアンケート調査によって、被災地の住宅環境を被災者の視点から分析した。その結果、以下の点が明らかとなった。(1)復興公営住宅居住者は、住環境等のハード面について高い評価を与えている一方で、コミュニティ活動や健康面についての評価が低い傾向がある。(2)住宅再建政策の単線化されたプログラムによって、被災地の「まち」としての個性が変化し、経済的に古くからの居住者が同じ場所に戻ることが困難となっている。(3)震災の1995年から6年が経過したが、被災地での生活状況は依然として困難で、特に経済面で顕著であった。

主題:台湾地震における応急仮設住宅の対策に関する研究
副題:家賃補助策の実施の実態と評価
著者:邵 珮君、室崎益輝
掲載:地域安全学会論文集、No.3、157-162、2001年11月
概要:1999年9月の台湾地震後の緊急住宅政策には、応急仮設住宅の無償提供、公的住宅の低価格による分譲、被災者個人に対する家賃補助があったが、被災者の約9割の約32万人は家賃補助を選択した。この研究では、この家賃補助を選択した被災者に対するアンケート調査(2000年夏実施)により、家賃補助を受けた世帯の居住状況と住宅再建との関連について分析を行った。その結果、ほとんどの被災者は、家賃補助を住宅再建のための資金、とくに修繕費用や自力仮設住宅の建設資金、または、恒久住宅建設の準備金としてとして用いていることが明らかとなった。つまり、家賃補助といいながら実態としては包括的な住宅再建支援給付となっており、素早い住宅復興につながったといえる。しかし、一方で、家賃補助を受けた世帯の多くは、危険性のある家屋を修理して住み続ける、あるいは居住性のよくない自力仮設住宅に住み続けることを余儀なくされるという問題が残され、暫定的解決ははかられたが、恒久的解決にはつながらないという問題をはらんでいることも明らかとなった。

主題:インド・グラジャート地震におけるNGO活動を中心にしたコミュニティの生活再建支援について
著者:青田良介、室崎益輝
掲載:地域安全学会論文集、No.3、163-172 、2001年11月
概要:2001年1月26日に発生した地震によって、インド西部のグラジャート州に甚大な災害がもたらされた。当地における諸NGOは、コミュニティ援助の活動を積極的に行い、高く評価された。本研究では、2001年4月に現地調査を実施し、関係機関へのヒアリング及び関連資料の収集によって、これらのNGOの活動について分析を行った。その結果、コミュニティへの激励と活動への参加促進は、生活再建の要であること、コミュニティに根拠を置いた活動をより進めるために、各NGOとコミュニティとの普段からの関係、各NGOとインド政府や国際機関との連携・協力関係を構築しておくことが重要であったこと、が明らかとなった。








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